なぜ、物忘れをするのか?
2025年12月5日
みなさん、こんにちは。Dr.Ryoです。今回はこちらをテーマにお話ししていきます。
なぜ、物忘れをするのか?
物忘れ、つまり、記憶力の低下になるのですが、これは誰にでも起こることです。ただ、老化の始まりのサインみたいで、すこし怖い感じもしますね。最近は40代から若年生認知症の方も増加傾向にありますから、なかなか気になるテーマなのだと思い、取り上げてみました。
年齢を重ねるにつれて、あの人の名前?誰だっけ?どこに置いたか忘れた、といったことが次第に増えてきます。これは、たまたまではなく、脳の仕組みそのものに変化が起きている証拠でもあります。
ハーバード大学2019年の研究によると、年を重ねるとともに脳の神経細胞のネットワークという繋がりは、少しずつ疎になっていき、情報の伝達スピードが落ちることが報告されています【Harvard Medical School, 2019】。また、2020年のスタンフォード大学では、慢性的な炎症が脳内に蓄積することで神経伝達物質の働きが妨害されて、記憶力低下につながることを示しました【Stanford Medicine, 2020】。
つまり、記憶力の低下は、年齢のせい、ではなく、脳の構造変化、炎症、代謝の乱れが重なって生じる現象といえるのです。
記憶力が低下する要因

記憶力の低下には複数の要因が絡み合っておきます。
まず一つの原因は、脳の萎縮、です。MRIによる分析では、年を重ねるとともに、記憶をつかさどる前頭葉と海馬が少しずつ縮小していくことが明らかになっています。2(18年のオックスフォード大学の研究でも、海馬の体積が小さい人は認知機能低下のリスクが高いと報告されているのです【Oxford University, 2018】。
他の原因として考えられるのは、生活習慣の乱れ、ですね。睡眠不足は記憶力に直結すると言われています。2017年のカリフォルニア大学バークレー校の研究では、十分な睡眠を取れない人は、新しい情報を海馬に定着させる力が40%も低下することが確認されましたということです【UC Berkeley, 2017】。
さらに他の原因を考えてみると、ストレス、も大きな要因といえます。ストレスホルモンであるコルチゾールが過剰に分泌されると、海馬の神経細胞を傷つける可能性があるとされています。
そして、忘れてはいけない、怖い病気は、記憶力の低下を引き起こすアルツハイマー病、です。アルツハイマー病は、アミロイドβやタウといった異常なたんぱく質が脳に蓄積し、神経細胞の死を招くといわれています。
記憶力低下の対策として

運動は効果的といわれています。2021年のハーバード大学公衆衛生大学院の研究では、定期的な有酸素運動を行っている高齢者は、脳の萎縮のスピードが緩やかで認知症の発症リスクが低くなることが示されました【Harvard T.H. Chan School, 2021】。
他の対策としては、食事も重要です。2016年のスタンフォード大学は、オメガ3脂肪酸を多く含む魚を食べる人は認知機能の低下スピードが遅いと報告しました【Stanford University, 2016】。また、地中海食をよく食べる方は、脳の炎症を抑制して、アルツハイマー病の発症リスクを下げるといわれています。
睡眠の改善も効果的です。深いノンレム睡眠の間には、グリンバティックシステムという、脳がアミロイドβを洗い流す作用が働きます。つまり、睡眠の質を高めることは、記憶の固定、すなわち、物忘れの予防と、物忘れを助長させる老廃物の排出に直結するのです。
それ以外は、対策はないのかを考えてみました。そうそうストレス管理も重要なので要素です。ストレスのコントロールには、瞑想や呼吸法が効果的とされ、2020年のオックスフォード大学の臨床研究でも認知機能の維持に役立つ可能性が報告されています【Oxford Mindfulness Centre, 2020】。
噛むこと、が記憶を守る可能性

最近の研究では、奥歯で噛むことが記憶力の維持に深く関わっていることが分かってきています。
2018年の動物実験では、奥歯を失ったマウスは、学習能力、記憶力を低下させるだけでなく、記憶をつかさどる海馬の神経新生が減少することが報告されています【Frontiers in Aging Neuroscience, 2018】。人間でも、物を粉砕する咀嚼機能が低い人ほど認知症の発症率が高いことが示されています【Journal of Dental Research, 2019】。
アルツハイマー病の原因をなくせるとしたら、どうでしょうか? 実は、複数の研究から、キチンと噛んで粉砕できると、アルツハイマー病の原因とされるアミロイドβの蓄積を抑える可能性があることがわかってきました。つまり、それは、アルツハイマー病の進行を遅らせる鍵になると考えることがてきます。
噛み合わせの大切さ
ただ噛めばよいわけではありません。不安定な噛み合わせは、かえって筋肉や神経に負担を与えて、頭痛、倦怠感を引き起こすこともあります。安定した噛み合わせで奥歯を最大限に使えるようになることが、脳と体の若さを守るためには欠かせないのです。
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最後に
記憶力の低下は、年を重ねることで生じる自然現象ですが、生活習慣や他の要因でも、その症状は大きく変化します。運動、食事、睡眠、ストレスコントロール、それ以外にも大切なのが、噛み合わせであり、噛む力でもあるのです。
奥歯でキチンと噛むことは、栄養をとりやすく粉砕して、その栄養を十分にとることで、身体の免疫は安定していき、脳の老化を防ぐ可能性を高めてくれるのです。 その状態を最も効果的に作り出すのが、唯一無二のトータルヘルスケアプログラム®だと考えています。
もし、読者の方や、そのご家族、ご友人で、記憶力の低下や将来の認知症を心配している方がいらっしゃるのなら、一度じっくり考えてみてください。あなたの問題点は、意外にも 噛み合わせ奥歯にあるかもしれません。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
みなさんの未来が輝かしいものであること願っております。
統括院長 Dr.Ryo
このコラムは、ウエスト歯科クリニックと玉川中央歯科クリニックで別の内容を掲載しています。両方をぜひご覧になってください。
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