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銀歯は大丈夫?  世界基準から考察

2026年1月13日

みなさん、こんにちは。統括院長のドクターリョウです。

今回は、こちらをテーマにお話ししていきます。

銀歯は大丈夫?  世界基準から考察

虫歯治療で長く使われてきた、銀歯。日本の成人の多くが一度は入れた経験があると思います。銀歯は保険診療ですから広く普及して、強度も高いため、奥歯の大きな虫歯治療では現在も一般的な方法の一つです。

しかし、最近では、銀歯は大丈夫?、という疑問が改めて噴出してきています。

アメリカでは銀歯のリスクを説明せずに治療を行った歯科医が訴訟で数千万円単位の賠償責任を負うケースがあるといわれています。確か、私のアメリカ在住の技工士からが、そのように言っていたのを聞いたことがありますから、あながち、嘘ではないと思います。

また、スウェーデンでは厚労省にあたるところのトップが、虫歯や、金属アレルギーの原因になる、と警告して、国として銀歯の使用を廃止した歴史があります。

ここでは、銀歯のメリット・デメリット、国際的な動向や科学的エビデンスをもとに、この問題を考えていきたいと思います。

銀歯、とは?

銀歯で治療した歯

日本で、銀歯、と呼ばれるものには大きく2種類あります。

金パラと言われる、歯科用合金で、正式には12%金銀パラジウム合金といいます。

保険診療で最も一般的に使われる銀歯であり、パラジウムや銀、銅などを含んだ合金で、強度が高く安価。

もう一つが、アマルガムです。これは、水銀と銀・スズなどの金属を混ぜた材料になります。かつて広く使われましたが、現在の日本ではほとんど使用されてなくなりました。

患者さんが銀歯は大丈夫?、と尋ねるとき、多くの場合はパラジウム合金の銀歯を指していると思います。ただし、国際的に、銀歯の問題、とされるのは主に水銀を含む銀歯のとこです。つまり、アマルガムのことです。

銀歯のメリット

銀歯のメリットのイメージ

奥歯の強い噛み合わせに耐えることができる強度があります。また、保険適用で経済的負担が少なく、大きな虫歯やブリッジなどの治療でも使用可能。

これらの理由から、日本では今も多くの歯科医院で銀歯治療が行われているのです。

銀歯のリスク

銀歯のリスクのイメージ

銀歯にはいくつかの問題点があります。

銀歯に含まれるパラジウム、ニッケル、銅などは、アレルギーを引き起こすことがあります。皮膚科で金属アレルギーと診断された患者さんの中には、口の中の銀歯が原因である例が少なくないのです。スウェーデンではこのリスクを重きをおいたことから、使用禁止に至った歴史があります。

腐食・溶出

銀歯は唾液や食事によって腐食し、微量の金属イオンが溶け出すことがあります。これが金属アレルギーや歯肉の黒ずみの原因となる場合があります。

家で例えるなら、プレハブでつくられた住居です。時間と共に、錆びてきてくるようなイメージです。

また、銀歯は 詰め物、被せ物としての強度は高いのですが、、歯との間にわずかな隙間ができやすい傾向があります。その結果、詰め物の下にできる虫歯、通称、二次う蝕が発生するリスクが他の被せ物と比較すると高いことが報告されています。

アメリカでの訴訟事例

アメリカでは、十分な説明と同意、つまり、インフォームドコンセント が重視されます。銀歯を入れる際に、アレルギーの問題、腐食の問題、水銀が与える問題などの、リスクを十分に説明せずに治療を行った場合、後に健康被害を訴えられると歯科医師が訴訟で高い確率で敗訴するケースがあります。

特に、水銀を含む銀歯である、アマルガム の場合は問題視されやすく、数千万単位の賠償が命じられることもあると報告されています。

つまり、材料そのものの問題だけでなく、リスクを説明しなかったこと、が責任を問われる大きな要因となっています。

スウェーデンでの使用禁止

北欧のスウェーデンでは、1980年代から金属アレルギーや環境汚染の観点からアマルガムの使用制限が始まって、2009年には完全に廃止されました。当時の厚生省(Socialstyrelsen)のトップは、アレルギーの原因になるから好ましくない、と公式に発言し、国をあげて代替材料への移行を推進した歴史があります。

現在、EU諸国の多くでもアマルガム使用は制限または禁止されており、日本のように、銀歯の使用している状況は、国際的にはかなり少数派になっています。

日本における現状

日本では依然として銀歯が多く使われており、保険診療の範囲内で費用を抑えつつ大きな虫歯を修復できる実用性の高い材料であることが理由です。ただし、アレルギーや適合性の問題から、セラミックやゴールドなどの自費治療を選ぶ患者さんも、昔に比べて、かなり増えてきています。

銀歯は大丈夫か?の回答

疑問に対する答えのイメージ

結論として、銀歯は機能的には使える材料ですが、リスクがゼロではありません。日本では今も標準治療ですが、国際的にはリスクを重視して使用が制限される方向に進んでいます。

ただ、短期的には、機能性や費用面では有用です。長期的にはアレルギーや腐食、二次う蝕のリスクがあります。海外ではリスク説明が必須で、説明不足は訴訟リスクにつながるので、一般的には使用することは少ないです。

長期的に安心な選択肢

セラミックの歯

もし、あなたが、健康リスクを最小限にしたい、できるだけ歯を長持ちさせたい、と望むのであれば、セラミックやゴールドがおすすめです。ここで、その違いを説明します。

セラミックは、変色せず、アレルギーの心配も少なく、見た目も自然。適合精度も比較的高い。ただし、強く噛むと割れる可能性があります。

ゴールドは、アレルギーの心配もセラミック同様に銀歯よりも少なく、天然歯に近い硬さと極めて高い適合性で、噛み合わせに優れ、耐久性は非常に高い材料です、強く噛んでも破損しない、安心して噛めます。

この2つは、初期費用はかかりますが、再治療のリスクを減らし、結果的に長期的に、安心できる選択肢となります。

まとめ

銀歯は日本では一般的な治療法で、短期的な機能性や費用面での利点がありますが、金属アレルギーや腐食、二次う蝕のリスク高いです。アメリカでは説明不足が訴訟につながり、スウェーデンでは国の政策として使用禁止になった歴史もあります。

長期的な健康と、安心を望むなら、セラミックやゴールドといった代替材料を検討するのが賢明であると考えています。

このコラムは、ウエスト歯科クリニック玉川中央歯科クリニックのホームページで、別の内容で掲載されていますので、ぜひ併せてご覧ください。

参考文献

  1. Kubo S, et al. Factors associated with the longevity of resin composite restorations, Nagasaki University Hospital. Dental Materials Journal. 2010.
  2. Hosaka K, et al. Clinical effectiveness of direct resin composite restorations using one-step or two-step self-etch adhesive systems: A three-year multicenter study. Dental Materials Journal. 2021.
  3. Mjör IA. The reasons for replacement and the age of failed restorations in general dental practice. Operative Dentistry. 2002.
  4. Fung EY, et al. Pharmacokinetics of bisphenol A released from a dental sealant. J Am Dent Assoc. 2000.
  5. European Commission. Amalgam phase-down and ban in EU member states. 2009.
  6. Socialstyrelsen (Swedish National Board of Health and Welfare). Policy statements on amalgam use.
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医療法人社団聖和厚生会 ウエスト歯科クリニック
所在地
東京都目黒区鷹番3−7−6 2階
電話番号

03-5725-2251

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