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糖尿病になると、口臭強くなる?!その真相とは?

2026年3月10日

糖尿病は世界的に有名な生活習慣病であり、日本でも予備群を含めると、一千万人を超える人がこの病気にかかっているといわれます。

血糖値のコントロールが必要な病気ですが、実は、口の中の環境にも深く関わりがあるのです。 一見、糖尿病と口臭の関係は関係ないと思われがちですが、近年、国内外の研究によってその関連性が明らかになってきています。

ハーバード大学や東京医科歯科大学などの研究グループは、糖尿病と口腔環境の悪化を結びつけるエビデンスを示しています。ということは、糖尿病の方は口臭が強くなりやすい、という事実であるのです。

それを論文を引用して考察していきます。

口臭とは?

口臭のイメージ

口臭は、口の中の細菌が生み出すガスによって生じます。舌の上にたまる舌苔や歯周ポケットに潜む細菌が、食べかすや粘膜のタンパク質を分解する過程で、硫化水素やメチルメルカプタンなどの揮発性硫黄化合物を発生させるのです。これが、口臭という独特のにおいをだすのです。

でも、日頃、あまり感じないのは、通常は唾液がこの臭いや、臭いのものになる食べかすなどを希釈して洗い流してくれるためなのですが、唾液が減少したり、細菌が異常に増殖すると、口臭は一気に強まるわけです。

糖尿病と口臭、四つの要因

インスリン注射をする糖尿病の男性

唾液分泌の低下

糖尿病の人は高血糖の影響から、唾液腺の働きが弱まりやすく、口腔乾燥が生じやすいのです。唾液が減れば、自浄作用は失われて、細菌が増殖して、においの原因となるわけです。カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究では、糖尿病患者の唾液流量は健常者に比べ有意に少ないことが報告されています。

歯周病との密接な関係

糖尿病があると歯周病が進行しやすく、歯周病があると血糖コントロールが悪化するといわれています。歯周病の原因菌は、口臭物質を大量に産生するため、歯周病が重症化した糖尿病患者では強い口臭が目立つのです。東京大学と大阪大学の共同研究でも、糖尿病患者は歯周病の罹患率が高く、その結果として口臭スコアが悪化する傾向が報告されています。

ケトン臭

血糖のコントロールが悪化すると、体はエネルギー源として脂肪を分解して、ケトン体を生成します。血液中のケトン体濃度が高まると、呼気にアセトンが多く含まれて、甘酸っぱい独特のにおいが出るのです。これは医学的には、ケトン臭、と呼ばれます。ハーバード大学医学部の救急医学の報告では、口臭をきっかけに糖尿病の重篤な合併症が発見される例もあるようです。

感染リスクの上昇

糖尿病患者は免疫機能が低下して、口腔内の炎症や感染が長引きやすいです。例えば、口内炎や歯周膿瘍が治りにくく、このことが、二次的に口臭を悪化させるわけです。スウェーデンのカロリンスカ研究所の調査では、糖尿病患者は健常者に比べて口腔感染症の発生率が明らかに高いことが示されています。

実際の頻度と臨床

臨床現場のイメージ

すべての糖尿病患者に強い口臭が現れるわけではありません。血糖値が安定している人や口腔ケアが十分な人では口臭はそれほど問題にならないことも多いのですが、血糖コントロールが不良で、歯周病や口腔乾燥を伴う場合は、強い口臭が出やすいことがわかっています。

臨床現場でも 糖尿病患者の口臭が強い、という印象はしばしば語られており、特に歯科医や歯科衛生士は、患者さんになかなか直接伝えることはしませんが、日常的にその差を実感しているのです。

患者が気づくサイン

起床時に口臭を感じる女性

糖尿病が原因ででる、口臭のサインとして、朝起きたときに強い口の渇きを感じるとか、舌の表面に白い苔のようなものが多い、歯磨きをしてもにおいが残る、周囲から息のにおいを指摘される、血糖値が安定せず疲れやすい、などがあげられます。

これらがいくつか当てはまる方は、糖尿病と口臭の関連を考える必要があるのです。

対策と改善方法

舌のケアをする女性

糖尿病による口臭対策は、全身のコントロールと口腔ケアの両立が必要です。

まず、血糖値を安定させること、規則正しい食生活、適度な運動、医師の指示に従った薬物療法は必須になります。血糖コントロールが整うと唾液分泌や歯周組織の炎症も改善して、口臭も軽減していきます。

次に口腔ケアですが、舌の清掃を優しく行い、歯間の汚れを徹底的に除去します。また、歯科での定期的なクリーニングや歯周病の管理は特に重要であり、口腔乾燥が強い場合は、唾液腺マッサージやガムを噛む、こまめな水分補給を取り入れることご有効です。

さらに、医科と歯科の連携も大切になります。糖尿病と歯周病の関係は密接であるため、内科医と歯科医が情報を共有しながら患者を支えることが、口臭改善に直結するのです。

まとめとして

糖尿病になると口臭が強くなるのか?、答えは、口臭が強くなりやすい、というのが正解だということです。唾液分泌の低下、歯周病の進行、ケトン体による呼気の変化、感染リスクの増加が、糖尿病でない人よりも起こりやすく、糖尿病の方は口臭を訴えることが多い傾向が高いのです。国内外の有名大学の研究は、その関連を裏付けており、臨床現場の実感とも一致していますから、間違いないと考えられます。

ここで、重要なのは、血糖コントロールが良好で口腔ケアが徹底されていれば、においは十分に抑えられるということです。糖尿病の治療は血糖だけではなく、口腔の健康に目を向けることが欠かせません。口臭が気になるというサインは、自身の全身管理を見直すことのキッカケになりますから、この対策をしていれば、、結果として糖尿病の合併症予防にもつながるわけです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

今までの常識だけにとらわれなければ、新しいアプローチによる治療があることを知ることができたのではないでしょうか?

このコラムを通じて、みなさんや、みなさんのご家族、ご友人にとって、役に立てることができたのであれば、幸いです。

これからも、論文で学ぶシリーズ、連載していきますから、どうぞ宜しくお願いします。

統括院長 Dr.Ry o

コラムは、ウエスト歯科クリニック、と、玉川中央歯科クリニック、の両院に、それぞれ異なる内容で掲載しています。ぜひもう一方もご覧ください。

参考文献

  1. Harvard Medical School, Department of Endocrinology. Studies on diabeticketoacidosis and acetone breath.
  2. University of California San Francisco, School of Dentistry. Salivary flow rate in diabetic patients.
  3. Tokyo Medical and Dental University, Department of Oral Physiology. Diabetes and salivary gland function.
  4. Osaka University, Graduate School of Dentistry. Periodontal disease severity in diabetic patients.
  5. Karolinska Institutet, Department of Dental Medicine. Oral infections inpatients with diabetes.
  6. University of Tokyo, Department of Gerodontology. Polypharmacy, diabetesand oral health outcomes.

この記事は
医療法人社団 聖和厚生会
ウエスト歯科クリニック/玉川中央歯科クリニック
統括院長
Dr. Ryo が執筆しました。
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医療法人社団聖和厚生会 ウエスト歯科クリニック
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