ダイエットと噛み合わせの深い関係
2026年3月13日
みなさん、こんにちは。Dr.Ryoです。
論文で学ぶシリーズ、今回のテーマはこちらです。
ダイエットと噛み合わせの深い関係
ダイエットを始めたけれど、体調が優れない、食べる量を減らしているだけなのに肩こりや頭痛が増えた、そんな経験をされた方は意外と多いのではないでしょうか?
実は、ダイエットと噛み合わせの状態には密接なつながりがあります。食事習慣の変化や栄養バランスの偏りが歯や顎に思わぬ影響を与えるのです
つまり、体重を落とすことだけを重視すると、歯や顎、全身の健康を損なうリスクがあるわけです。ここでは、論文による学術的な知見を踏まえながら、噛み合わせとダイエットの関係性を掘り下げていきます。
最後までお付き合いいただけると幸いです。
ダイエットで噛み合わせが変わる

食習慣の変化と物を粉砕する咀嚼回数
極端な糖質制限、スムージー中心の食生活は、物を粉砕する咀嚼の回数が激減します。咀嚼は顎関節や噛み合わせのバランスを維持する重要な行為ですが、噛む回数が減ると、咀嚼筋の左右差が生じたり、顎の位置が微妙にずれることで、不安定な噛み合わせ(咬合異常)が起きやすくなります。
栄養バランスと歯と骨の健康
カルシウムやビタミンDの不足は、歯や顎骨の強度に影響します。特に、短期間で急激に体重を落とす、ファストダイエットは、骨代謝のバランスが崩れ、歯周病や顎関節症を助長するリスクがあると報告されています。
学術研究からみる、噛み合わせと全身健康

引用研究①:物を粉砕する咀嚼と代謝の関係
2015年に Journal of Prosthodontic Research に掲載された研究では、噛む回数が少ない人ほど肥満傾向が強い、という結果が示されています。この研究は、物を粉砕する咀嚼行動が食欲抑制ホルモン(GLP-1やPYY)の分泌に影響して、食欲に関与することを明らかにしています。
つまり、噛み合わせや物を粉砕する咀嚼習慣の乱れは、体重管理そのものに影響を与える可能性があるわけです。
不安定な噛み合わせと全身症状
2020年のClinical Oral Investigations の論文では、噛み合わせの不均衡が頭痛、肩こり、自律神経症状と関連することが報告されています。
ここでは、噛み合わせの改善によって睡眠の質や集中力が向上するケースも確認されていて、噛み合わせは単なる歯だけでなく、全身的な健康要因であることが強調されています。
ダイエット中の注意ポイント

食べる内容より、噛む、ことを意識
なるべく咀嚼が必要な、比較的固い食べ物を選択することが大切になります。玄米、根菜、ナッツなどを適度に摂取すると、顎関節や咀嚼筋をバランスよく使うことができます。
栄養の極端な制限は避ける
カルシウム不足がおきると、骨粗鬆症 となり、顎骨の脆弱化 という流れが起きてしまいます。ダイエット中こそ、歯と顎の健康に必要な栄養素を確保することが大切になります。
噛み合わせのチェックが必要
急激な体重減少をすると、歯の高さや噛み癖が変化することがあります。噛み合わせを専門としている歯科で、噛み合わせ調整を行うことで、問題を早期に発見して、顎関節症や歯列不正の進行を防くことができます。
噛み合わせが整うと、痩せやすくなる?

よく噛んで食べると太りにくい、と言われているのを聞いたことはありませんか? 物を粉砕する咀嚼は、食欲ホルモンの分泌を調整して、満腹感を得やすくする科学的根拠があるのです。
つまり、噛み合わせが良好なら、顎周囲の筋肉が正しく働いて、姿勢や呼吸も安定します。その結果、基礎代謝の向上や自律神経のバランス改善が期待できて、健康的に痩せやすい体質へとつながるわけです。
まとめ
ダイエットと噛み合わせは、切り離せない関係にあります。 物を粉砕する咀嚼の減少や栄養不足は、不安定な噛み合わせや顎関節症を引き起こす可能性があるのです。結局、噛み合わせの良し悪しは、体重管理、全身の健康、生活の質にも影響を及ぼすことが考えられます。
健康的なダイエットをするには、食べる量を減らすだけでなく、しっかり噛んで食べることは重要なのですが、それよりも、噛み合わせを整える、という視点を持つことが非常に大切でなのです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
みなさんや、みなさんのご家族、ご友人にまで、お役に立てる、今までの常識ではない、全く新しいアプローチの考察を提供してまいります。
統括院長 Dr.Ryo
参考文献
- Murakami K, et al. Journal of Prosthodontic Research, 2015. “Associations between chewing behavior and obesity.”
- Türp JC, et al. Clinical Oral Investigations, 2020. “Occlusal imbalance and systemic symptoms: a clinical correlation.”
- WHO. “Nutrition and oral health” (World Health Organization, 2019).
このコラムは ウエスト歯科クリニック と 玉川中央歯科クリニック で、それぞれ異なる内容を掲載しています。ぜひ、もう一方のコラムもあわせてご覧ください。
この記事は
医療法人社団 聖和厚生会
ウエスト歯科クリニック/玉川中央歯科クリニック
統括院長
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