都会は体調不良になりやすい?
2026年5月8日

結論からいうと、はい、都会での原因不明の不調は、環境ストレスと身体バランスの乱れが原因。
都会に住む人の多くが感じている、なんとなく体がダルい、重い。疲れが取らない、睡眠の質が良くない、眠りが浅いといった症状。
その多くは、病気ではなく、都市での生活がもたらす慢性的な身体ストレスが関係しています。
硬いアスファルト、騒音、過密な空間、人工的な光、そして常に緊張を強いられる生活リズム。これらは、目に見えない些細な負担のように思われるかもしれませんが、体の姿勢、神経、心にまで影響を及ぼすのです。
実は意外と負担になるのが見逃せないのが、足元のコンクリートです。
私たちは毎日、コンクリートの上を歩きながら、無意識のうちに関節や神経に小さな負担やストレスを積み重ねています。
その負の貯金が、都会の慢性的な不調を生み出す根本的な原因と考えられます。
都会に頻発する、なんとなく不調

都市に暮らす人々は、土に触れているような地方の人よりも健康リスクが高いことが国際的な研究で明らかになっています。
スタンフォード大学の研究では、都市生活者は自然環境の多い地域に比べてストレスホルモンの分泌が高くて、気分の落ち込みを感じやすい傾向があると報告されています。
さらにコロンビア大学では、都市部の住民は地方在住者に比べて慢性的な腰痛、肩こり、疲労感を訴える割合が明らかに高いことが示されています。
つまり、病気ではないが、ずっと不調が続く、これが現代の都市生活者に共通する特徴になるのです。
つまり、過密な人間関係や仕事のストレスだけでなく、物理的な環境の違いが大きく関係しているのです。
コンクリートがもたらす足の負担

私たちの祖先は、土や草の上を歩いて暮らしていました。
柔らかな地面は衝撃を吸収して、足や膝、腰への負担を分散してくれます。
また、自然の土の地面にはわずかな起伏があり、足裏の感覚を刺激しながら、バランス能力を育てているのです。
それに対して、現代の都市部では、地面がコンクリートやアスファルトで覆われているのが一般的です。
硬く、弾力がなく、衝撃を吸収しない硬いアスファルトの地面を歩くことは、関節に直接的な負担を与えます。
京都大学の研究によれば、硬い地面を長時間歩くと膝関節や腰椎へのストレスが顕著に増大することが確認されています。
さらに、道路や歩道はまっすぐのように一見見えますが、排水のためにわずかに傾いているのです。
そのため、私たちは毎日、知らず知らずのうちに片足重心で歩いており、身体の左右バランスが崩れていくと考えられます。
この微妙な非対称性が、肩こりや腰痛、首の歪みを引き起こして、全身の姿勢や噛み合わせ、自律神経にまで影響を及ぼしてきます。
足裏から頭部まで 、 つながる身体

人間の身体は、一本の線のように連動しています。
足で受けた衝撃は、膝、腰、背骨、頭蓋骨にまで伝わります。
つまり、足元の環境が姿勢や噛み合わせにまで影響を与えるわけです。
大阪大学の研究では、足裏の感覚の刺激が 姿勢の制御や頭部の位置の安定に関係していて、その変化が咀嚼筋(噛む筋肉)の活動にも影響することが明らかにされています。
つまり、足元のアンバランスが、噛み合わせのズレや首の緊張、自律神経の乱れにまで影響していくということなのです。
この足から頭への連鎖は、都会のように硬いアスファルトの地面の上で生活する人ほど顕著に現れます。
一日中、アスファルトを歩き続けるということは、毎日何千回も小さな衝撃を全身に与えているのと同じことなのです。
姿勢の歪みが、自律神経に影響を与える

ケンブリッジ大学の研究によると、姿勢の乱れと自律神経の機能低下には密接な関連があるとされています。
姿勢が崩れることで交感神経が優位になって、リラックスを司る副交感神経の働きが弱くなるのです。
その結果、慢性的な疲労、不眠、不安感といった症状が出やすくなるのです。
東京大学の研究では、噛むという行為が自律神経のリズムを調整し、脳の覚醒状態を安定化させる働きを持つことが報告されています。
つまり、噛み合わせを整えると姿勢が正され、自律神経も整いやすくなるのです。
このことが、都会型の不調を根本から改善するポイントになるのです。
心理的ストレスという、見えない圧力」

都会は物理的なストレスだけでなく、心理的な圧力として、絶え間ない人の流れ、人工音、過密な情報、騒音、競争的な社会構造などです。
それらのストレスは常に脳を緊張させて、交感神経を刺激します。
ハーバード大学公衆衛生学部では、都市部に暮らす人は自然環境の中で暮らす人に比べ、不安障害やうつ病のリスクが明らかに高いことが示されています。
自然の緑や静かな空間が、心の静寂や、調律をもたらすのに対し、都会ではその要素が圧倒的に少ないのです。
つまり、都市生活者の多くは、身体的にも心理的にも、常に緊張を強いられる環境で暮らしている整えるいえます。
トータルヘルスケアプログラム®

こうした都会型不調には、部分的な治療や一時的なリラクゼーションでは根本的な改善はあまり、期待できません。
身体全体のバランスを整える包括的なアプローチが必要なのです。
トータルヘルスケアプログラム®では、噛み合わせを中心に、姿勢、呼吸、咀嚼、自律神経を総合的に評価します。
崩れた身体の軸を整え、首や顎の位置を安定させて、全身の連動を回復させて、生活リズムや栄養、睡眠の質まで見直して根本的な体の再構築を図ります。
コンクリートの街で日々ストレスを受け続ける現代人にこそ、このような総合的ケアが必要と考えています。
まとめとして、都会で健康になるために

都市生活は確かに便利ですが、その反面、硬い地面、傾いた歩道、騒音、情報過多といった見えない負担が存在します。
それらが少しずつ積み重なって、慢性的な疲労、姿勢の歪み、心身の不調となって現れるのです。
スタンフォード大学、コロンビア大学、京都大学、東京大学、ハーバード大学などの研究が示すように、都市生活そのものが、心と体のバランスを崩すリスク要因となっているのです。
そのために、都会に暮らす私たちに求められるのは、体を整える意識を日常に取り戻すことです。
足元から姿勢を見直し、噛み合わせを整えて、自律神経を調える。
そのことが、都会で生きる私たちを守る新しい健康習慣となるのではないでしょうか?
コラムは ウエスト歯科クリニック と 玉川中央歯科クリニック で、それぞれ異なる内容を掲載しています。ぜひ、もう一方のコラムもあわせてご覧ください。
参考文献
- Stanford University, Department of Psychology. Urban stress and mental health outcomes. Palo Alto, USA. 2015.
- Columbia University, Mailman School of Public Health. Chronic musculoskeletal pain in urban populations. New York, USA. 2019.
- Kyoto University, Graduate School of Human Health Science. Effects of hard walking surfaces on joint stress. Kyoto, Japan. 2018.
- Osaka University, Faculty of Dentistry. Foot sensation, occlusion, and head posture. Osaka, Japan. 2020.
- University of Cambridge, Institute of Public Health. Postural deviation and autonomic dysfunction. Cambridge, UK. 2021.
- The University of Tokyo, Faculty of Medicine. Mastication and autonomic nervous system regulation. Tokyo, Japan. 2019.
- Harvard T.H. Chan School of Public Health. Urban living and risk of anxiety and depression. Boston, USA. 2016.
この記事は
医療法人社団 聖和厚生会
ウエスト歯科クリニック/玉川中央歯科クリニック
統括院長
Dr. Ryo が執筆しました。
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