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ドイツ人と日本人、虫歯になりやすいのは?

2026年6月12日

結論からいいます。

日本人のほうが虫歯になりやすいのです。

公式の数字で見ると、日本人のほうがドイツ人よりも虫歯の経験が多いことがわかっています。

その差は、歯ブラシの使い方や、生活の清潔さではなく予防の仕方の違いが大きく影響しています。

ドイツでは予防する文化があるのに対し、日本では丁寧に対応するけれど自分のことは後回しにしてしまう文化があります。

文化が違うと、行動のタイミングが違ってきます。その差が、歯の健康に大きく表れているのです。

1.虫歯は日常の暮らしから生まれる病気

虫歯になった歯

虫歯は、糖を食べた細菌が酸を出して、歯の表面にあるエナメル質を溶かす病気です。

仕組みは単純ですが、実は虫歯になるのには、その国の暮らし方が反映されてきます。

どんな食べ方をするか、どのくらいの頻度で歯医者に行くか、生活のリズムやその国の社会の考え方で違いが生じてきます。

ドイツと日本はどちらも清潔好きで几帳面と評価されることが一般的だと思いますが、虫歯の数字を見ると日本のほうがはるかに高いのです。

2.ドイツ

ドイツ国旗

ドイツでは、健康も計画的に守るべきという考えが根づいているといえます。

国の保険制度では、半年ごとの歯科検診が強く推奨されており、受診のたびにボーナスブックにスタンプが押されるのです。

これを続けると、将来の治療費が安くなるので、、予防すればするほど得をする仕組みになっています。

また、学校では早い時期から、どうして歯を磨くのかを論理的に教えており、押し付けではなく、理由を理解して行動させるのです。

さらに、ドイツの水はカルシウムが多い硬水が多く、歯の再石灰化を助けるといわれています。

食生活も規則正しく、甘いケーキを食べるのは午後のティータイムだけの方が多いのです。

それ以外の時間は水やハーブティーで過ごすのです。

もちろん例外の人もいるとは思いますが、一般的な国民は、間食が少なく、食事の時間が決まっている人が多く、まさにこのことが、虫歯の予防にもつながっているのです。

3.日本

日本国旗

日本人はドイツ人と比較しても清潔好きで、歯磨きの回数は世界でもトップクラスです。

ただ、それなのにもかかわらす虫歯の経験は多いのです。

日本では、小さな違和感は我慢して、痛くなってから歯医者に行く人が今だに多いのです。

厚生労働省(2023)の調査では、成人の約9割が虫歯を経験しているというデータを出しています。

ドイツでは約75%です。

半年以内に歯科検診を受けた人の割合も、2022年のWHOの発表によると、ドイツが約7割に対し、日本は約3割です。

文化的にも違いも影響していると思います。

日本では他の人に迷惑をかけないことが美徳とされて、自分の健康を優先することにどこか遠慮があると思います。

それに対して、ドイツでは、自分の体は自分の責任という意識が強くて、その考えが早期の予防行動につながってくるのです。

4.食文化の違い

カフェのイメージ

食事の取り方も虫歯に大きく関係しています。

ドイツでは、朝、昼、晩の食事の時間がきっちり決まっていて、間食はほとんどしない人が多いのです。

甘いものを食べるのは午後のカフェタイムだけという感じです。

それとは反対に、日本は間食文化です。

仕事の合間のに、飴、甘い飲み物、コンビニスイーツなどなど。

口の中が長い時間、酸性状態になりやすい状態がずっと続くわけです。

WHOの報告では、糖の量よりも摂取する回数が虫歯を増やす、示しています。

ここで、ドイツの食事に注目してみましょう。

ドイツの硬いパンはよく噛まないと飲み込めないので、ものすごく噛む必要があり、そのことで唾液腺が刺激されて、唾液がしっかり出てくることから、虫歯を防ぐ効果があるのです。

日本の食事は、最近では特に柔らかい食べ物が多く、硬くない ごはんやパンは、噛む回数が減りやすく、唾液腺が刺激されにくいのです。

言い換えると、ドイツの硬今食べ物は、歯を鍛え、日本のやわらかい食べ物は歯を甘やかしているといえると思います。

5.制度のちがい

医療制度のイメージ

ドイツの保険制度は、予防が中心に設計されています。

年2回の検診やフッ素塗布が保険でカバーされており、子どもは無料で予防プログラムを受けることができます。

これにより、ドイツの12歳児の虫歯本数は平均0.4本。ヨーロッパでも最少です。

それに対して、日本はどうでしょう。

日本では学校検診は整っているのですが、フッ素やシーラント(歯の溝をふさぐ予防処置)は保険外も多いのです。

イメージ的には、治すことには保険が効くが、防ぐことは自費、というスタンスです。

この制度の違いが、文化的な行動の差をさらに広げているのです。

6.教育と家庭

歯磨きをするドイツ人の子ども

ドイツでは、子どもはどんなに小さくても自立した個人として扱われます。

歯磨きも3歳ごろから、自分の歯を守る練習を始めます。

もちろん、親も手伝いますが、どちらかというと、どうして磨くのかを一緒に考えるような理解によって自ら行動させることを学ばせているのです。

それに対して、日本はどうでしょうか?

親が仕上げ磨きをすることが多く、子どもはやってもらう側になりやすいのです。

その文化があるため、ドイツと比べて、自立のタイミングが少し遅れる傾向があるのです。

7.倫理観の違い

倫理観のイメージ

ドイツの倫理は、予測して防ぐ、ルールを設け、未来のリスクを避けるとか、健康管理もその延長にあると考えられています。

つまり、将来の自分を守るために行動するという考え方です。

それに対して、日本は共感して支える文化といえます。

困った人がいれば助け合うが、それは問題が起きてから動くこと。

これらの行動から見ても、予防よりも治療に重点が置かれやすいのです。

8.まとめとして

日本人は真面目で丁寧。しかし、その丁寧さが行動を遅らせることがあります。

ドイツ人は規律を守ることで、結果的に歯を守っています。

どちらも誠実で努力家。ですが、ドイツは構造で守り、日本は努力で守るという違いがあります。

虫歯は、清潔さだけではなく時間の使い方によって、良くも悪くもなる疾患です。

早く行動する文化を持つ国では、歯も長く健康を保てるわけです。

日本の丁寧さに、早さも加われば、世界一やさしく、そして強い歯の国になれるのです。

コラムは ウエスト歯科クリニック玉川中央歯科クリニック で、それぞれ異なる内容を掲載しています。ぜひ、もう一方のコラムもあわせてご覧ください。

参考文献

  1. Bundeszahnärztekammer (BZAeK). Oral Health Report Deutschland 2023.
  2. European Journal of Oral Science. “Water hardness and enamel remineralization.” 2020.
  3. FDI World Dental Federation. Global Oral Health Atlas, 2023.
  4. World Health Organization. Oral Health Database, 2022.
  5. Ministry of Health, Labour and Welfare (Japan). Survey of Dental Diseases, 2023.
  6. Japan Dental Association. Adolescent Oral Health Report, 2022.
  7. Takahashi, N. & Nyvad, B. “Ecological approach to dental caries prevention.” J Dent Res, 2011.
  8. WHO. Sugars and Dental Caries: Technical Note, 2015.
  9. FDI Europe. “Caries incidence and prevention strategies in the EU.” Community Dent Oral Epidemiol, 2021.
  10. Li, Z. et al. “Global burden of dental caries, 1990–2021.” BMC Oral Health, 2025.

この記事は
医療法人社団 聖和厚生会
ウエスト歯科クリニック/玉川中央歯科クリニック
統括院長
Dr. Ryo が執筆しました。
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