年代別・虫歯になりやすいランキング
2026年6月26日
基本的には、虫歯は年代問わず、一生ついて回る病気です

虫歯は、甘いものを食べすぎたせいだけで起こる単純な病気ではありません。
年齢による唾液量の変化、生活習慣、食の環境、そしてストレスやホルモンの影響まで、私たちの生き方そのものが、虫歯の発症に関わっています。
厚生労働省の全国調査(2016〜2021)でも、虫歯は子どもや若者に限らず、中高年や高齢層でも再発型や歯の根にできる根面う蝕が増えていることがわかっています。
つまり、虫歯は年齢を問わず、人生とともに虫歯ができる場所が変わりながら続く病気なのです。
では、どの年代が最も虫歯になりやすいのか?
ありそうでなかったランキング
ここでは国内外の研究をもとに、年代別・虫歯になりやすいランキングでその違いを紐解いきます。
第1位:20代前半

最も虫歯が増えやすいのは、実は20代前半。
一人暮らしのスタートや、仕事の忙しさで生活が乱れて 食事・睡眠のリズムが崩れやすくなるのが原因です。学生時代にあった定期健診もなくなり、歯科への関心度も一時的に低下して、歯科受診率が一気に下がる年代でする。
さらに、エナジードリンク、砂糖入りコーヒー、スイーツなどが世の中に溢れて、糖分を少量てあったとしても何度も摂る習慣がリスクを高めるのです。
2015年、WHOの発表では糖の摂取頻度が1日4回を超えると虫歯リスクが急上昇すると警告しています。
若さゆえの回復力があるぶんだけ油断もしやすいわけです。
仕事、恋愛、ストレスなどの外的要因でも唾液が減りやすく、気づけば 若いのに虫歯が多い状態になりやすいのがこの年代になります。
第2位:10代後半

高校生以降は自己管理が中心になり、生活リズムが乱れがちになる傾向が高まります。
部活動や塾で夜遅くまで過ごし、炭酸飲料や夜食が増えるからです。
日本学校歯科医会のデータでは、高校3年生の虫歯率は小学生の約3倍に達すると、発表しています。
さらに、スポーツドリンクの酸やダイエットによる食事制限が拍車をかけるのですが、例えば、pH3前後という酸性飲料を日常的に飲むと、エナメル質が溶けやすくなるといわれています。
10代後半は、歯みがき習慣が自分の性格にも定着する時期でもあります。
この時期の歯との向き合い方が、大人になってからの口腔環境を決めるといっても過言ではないのです。
第3位:30代

30代は虫歯が再発・進行しやすい年代です。
仕事、家事、育児に追われて、自分のケアの時間が最も削られる時期でもあります。
特に女性では、妊娠や出産によるホルモン変化や、つわりによる歯みがきがしづらいとか、そのような困難が虫歯リスクを上げるのです。
Matsuyamaら(2020)は、妊娠中の酸逆流と口腔pH低下が虫歯発症と強く関係しているとも報告しています。
また、ストレスや睡眠不足も唾液の減少につながり、口腔内が酸性に傾くのです。
痛くなったら行くのではなく、痛くなる前に通う習慣が求められる年代になります。
第4位:40代

40代は、昔の治療跡が再びリスクになる時期でもあります。
詰め物や被せ物の境界から細菌が侵入し、内側で虫歯が進行する。これを二次う蝕という。
これが、虫歯の再発です。
歯ぎしりや食いしばりによる、マイクロクラックという微細なヒビも、虫歯菌の温床になります。
しかし多くの人は、痛みが出るまで気づかないことが多いです。
治療したから安心ではなく、治療した歯こそ定期点検が必要という意識が大切になる年代になります。
第5位:子ども(0〜12歳)

近年、子どもの虫歯は減っているが、依然としてリスクは高い傾向にあります。
特に乳歯はエナメル質が薄く、酸に弱いです。
3歳未満で甘い飲み物を哺乳びんで飲む習慣があると、いわゆる哺乳びん虫歯が発生しやすいです。
夜の授乳や就寝前のジュースも、唾液が少ない時間帯には虫歯リスクを高めます。
ただし、間違えないでいただきたいのは、砂糖を完全に禁止する必要はないのです。
大切なのは、だらだら食べず、時間を区切って食べることです。
そして、保護者の生活リズムやケア意識が、子どもの歯の未来を左右することを知っておくと良いでしょう。
第6位:50〜60代

中高年になると、歯ぐきが下がり、歯の根にある、象牙質が露出します。
今までは、、歯ぐきで守られていた場所におります。
象牙質は酸に弱く、わずかなpH変化でも虫歯が進みやすいのです。
ここが虫歯になるのが根面う蝕といいます。
さらに、意外と知られていないのが、薬の副作用による唾液の減少です。
このことが虫歯リスクを上げのです。
とくに、降圧薬、抗うつ薬、抗ヒスタミン薬などを服用している人は要注意になります。
東京医科歯科大学の研究(Yamazaki et al., 2021)では、唾液が少ない高齢者は根面う蝕の発症率が約2.3倍高いと報告されています。
痛みが少なく、気づきにくいのがこの年代の特徴になります。
歯が欠けた、色が変わった、と感じたら、すでに虫歯が進行している可能性があります。
第7位:70代以上

高齢期の虫歯は、全身疾患と薬の影響が深く関わってきます。
糖尿病、パーキンソン病、リウマチなどの慢性疾患によって唾液の質が変わることで、細菌バランスが崩れるのです。
また、この年代になると服薬によるドライマウスも深刻です。
唾液が減ると再石灰化が起こらず、歯がもろくなるのです。
介護施設入所者の調査(Igarashi et al., 2020)では、ケア頻度の低下と虫歯の増加が比例していたと、示されています。
自力で歯を磨けなくなった瞬間、虫歯は再び勢いを取り戻すのです。
高齢者の虫歯対策には、治療よりも介護的な支援が重要になることを知っておいてください。
おわりに
虫歯は、年齢とともに形を変えるて、発現します。
10代では糖と酸、20〜30代では不規則な生活、40代では再発、50代以降では根面う蝕、そして70代からは全身の影響が原因となります。
つまり、虫歯はその人の生き方の反映で起きるのです。
年齢ごとにリスク要因が違うということは、年齢ごとに最適な予防法があるということになります。
つまり、子どもには食習慣の教育を、若者には摂取頻度のコントロールを、働く世代にはストレスケアと定期健診を、中高年には唾液の維持と再石灰化を、高齢者には介護的なケア支援を、ということが大切です。
歯の健康は今だけで完結しません。虫歯の曲線は、人生の曲線そのものであり、どの年齢でも、口の中を整えることが、あなたの人生の質を整えることにつながるのです。
コラムは ウエスト歯科クリニック と 玉川中央歯科クリニック で、それぞれ異なる内容を掲載しています。ぜひ、もう一方のコラムもあわせてご覧ください。
この記事は
医療法人社団 聖和厚生会
ウエスト歯科クリニック/玉川中央歯科クリニック
統括院長
Dr. Ryo が執筆しました。
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