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デンタルフロスにワクチンを入れるのは、本当?

2026年1月9日

みなさん、こんにちは。統括院長のドクターリョウです。

今回は、こちらのテーマで話していきます。

デンタルフロスにワクチンを入れるのは、本当?

デンタルフロスにワクチンを入れる、もうすでに入っている、という話しを耳にすると、多くの人が驚きと戸惑いがあると思います。常識的には、ワクチンは注射針で打つもの、または最近でた経鼻スプレータイプなどを想像する人も多いと思います。

2025年に入ってから、歯と歯の間を掃除するデンタルフロスを使用してワクチン投与するという研究成果が報告されました。

また、これらはメディアで取り上げたため、一部ではかなり話題になりました。本コラムでは、研究の内容、現状、技術的な課題、などを整理して、解説していきます。

ワクチンの新しい試み

ワクチンのイメージ

今までのワクチンは、注射して体内に投与してきました。ただ、それ以外に針を使わない方法として、経鼻投与や経口投与の研究も進んでいます。これらは、粘膜免疫、を活用し、局所の免疫細胞を刺激して全身の免疫応答を誘導するものです。

デンタルフロス投与タイプは、この流れの延長線上の新しい技術になります。歯と歯肉の境界には、歯肉溝、接合上皮、と呼ばれる組織が存在し、免疫細胞に影響しやすい領域であり、そこにワクチン成分を届ければ、従来の注射に代わる新しい経路となる、という発想で研究させています。

研究成果

研究のイメージ

2025年7月、テキサス工科大学、ノースカロライナ州立大学は、Nature Biomedical Engineering 誌に論文を発表しました。デンタルフロスを使用したワクチン投与の概念実証(proof-of-concept)です。

マウスを使った動物実験で、タンパク質ワクチン、不活化ウイルス、免疫原性ペプチド、mRNAワクチン様成分などをフロスにコーティングして、マウスの歯肉溝に繰り返し使用しました。

その結果、抗体産生やT細胞応答が誘導され、最終的には致死量のインフルエンザウイルスを投与しても生存率が高いことが確認されました。

それ以外には、ワクチンではないのですが、蛍光色素を塗布したフロスやフロスピックを健康な成人に使用してもらい、どの程度色素が歯肉溝に到達するかを調べました。

その結果、およそ60%のケースで色素が接合上皮に届いたと報告されました。これは、成分を局所に届けることは可能、という証拠といえると考えられます

商品化?

商品化できるのか疑問を持つイメージ

この研究成果がマスコミで、フロスでワクチン接種できる未来、として紹介されたことから、もう商品が開発された、という話が拡散されました。

しかし、現時点で市場に出回る製品は存在しないといわれています。また、不安な方のために朗報になるのが、臨床試験の正式な登録も確認されておらず、承認を受けた医薬品として利用できる段階には今のところありません。

一部の研究者は関連特許の共同発明者であるのですが、大学からの技術移転やライセンス契約、企業による製品化の発表はありません。つまり、商品化、ではなく、研究成果として論文発表された、が正確な情報となります。

技術的なハードル

フロスを使用するイメージ

フロスによるワクチン投与は、実用化までにはいくつもの課題が残されているといわれています。

まず、成分の安定性です。ワクチン成分は熱、湿気、酵素で壊れやすく、口の中では安定性を保つのが難しいといわれています。mRNAワクチンなどは、基本的には低温管理が必須だからです。ただ、研究がすすんで、低温管理が必要でないワクチンが開発されたら、話はかわります。

次に、投与効率があります。つまり、フロスだけで十分な量の抗原を接合上皮に届けられるかどうかは不明です。なぜなら、人によって歯肉の形態や健康状態が異なるため、均一な効果を得るのが難しいと言われています。

次に、安全性があります。部分的に、炎症や組織の損傷を起こすリスクがあります。また、口の中は常在菌が多いため、二次感染の危険性もあります。

次に、規制と承認。ワクチンは医薬品の中でも特に規制が厳しく、大規模な臨床試験を経なければ承認されないといわれています。フロス投与という新規経路の場合、安全性データの要求水準も高くなるといわれていますが、緊急事態という理由で、この厳しい基準が保たれるかは不明です。

歯科領域

デンタルフロスを、薬剤として使う実験は、抗菌薬、フッ化物、抗炎症成分などで研究されています。 歯周病菌に対するワクチンの研究は過去にも行われており、フロスを利用した局所免疫誘導は、もし実用化されれば、歯科領域から全身医療まで幅広い応用が考えられるといえます

ポイント

ポイントを伝えるイメージ

この研究が、本商品化しているのか、を判断するには、以下のようなことに注目するとよいと考えています。

臨床試験の開始です。つまり、ClinicalTrials.gov などの公的データベースに、フロス投与ワクチンの第1相臨床試験が登録されること。

次に、大学からの技術移転発表です。つまり、大学の技術移転機関であるTLOやベンチャー企業が、ライセンス契約や起業を発表すれば、実用化の動きが加速しているといえます。

次に、規制当局への申請です。つまり、FDAやEMAなどの当局に治験申請(IND)が出されると、臨床応用が現実のものになるのは、近いと予想できます。

最後に

デンタルフロスにワクチンを入れる、という話は、正しくは、2025年に論文で報告された、動物実験で有効性を確認した研究、であり、人に対する臨床試験や承認、商品化はまだ行われていないのが現状です。ただし、歯肉溝というとこらに着目するという方法は、将来のワクチン投与法として、実現可能性を高めていると考えられます。

ワクチンの投与法は、注射から、経鼻、経口、皮膚パッチ、そして、フロスへという流れは止められないと思います。しかし、現段階で、商品が出た、という情報は事実ではなく、そういう研究があるということのようです。

まとめ

デンタルフロスにワクチンを入れる、ことは研究レベルであり、まだ商品化や臨床応用はされていない。将来的な応用の可能性はあるが、技術的、規制的ハードルは未だ高いといえます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

みなさんの不安がすこしでも、取り除くことができたのであれば、幸いです。

ただ、マスコミの発表はあまりされなおものの、実は商品化させているという可能性も未来には存在すると思います。そのために、常に、ワクチンに対して、不安がある人は情報の獲得のために、アンテナを貼っておく必要があるでしょう。

また、ワクチンにたよらずに、結局は免疫を上げる必要があると、私は考えています。その為に、噛み合わせを整えることが、結局は一番大切であると思います。トータルヘルスケアプログラム®︎は、あなたの健康を底から支えていれるものである、と私は信じています。

このコラムは、ウエスト歯科クリニック玉川中央歯科クリニックのホームページで、別の内容で掲載されていますので、ぜひ併せてご覧ください。

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