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心を蝕むリスクと解決策

2025年12月23日

みなさん、こんにちは。Dr.Ryoです。今回のテーマはこちらです。

心を蝕むリスクと解決策

不安定な噛み合わせは、歯科治療するにおいて見た目が良くない、とか、物の粉砕効率といった視点でみられてきました。

しかし、それが口の中の問題だけでなく、身体全身の健康や、精神状態にまで影響を及ぼしていることがわかってきています。慢性的な頭痛、肩こり、不眠、抑うつ状態が、アンバランスな噛み合わせから生じることが確認されています。

これらは長期的に生活の質を低下させる要因となりえるのです。

咬合不良と頭

噛み合わせのズレから頭痛を感じる女性

不安定な噛み合わせは、筋肉の過剰な緊張を生じさせて、三叉神経から頭部の痛みを引き起こします。特に顎関節症の方は、頭痛が起きる確率が高いことは複数の研究で報告されています。(Glaros et al., 2007)

自律神経への影響

不安定な噛み合わせ は、日頃から軽い緊張を身体全体に与え続けることから、自律神経に負荷をかけます。とくに交感神経の活性化が続くと、心拍数、血圧上昇、消化機能の低下、不眠を引き起こします。Suvinen & Reade (1995) は、顎関節症患者は、交感神経が活発に活動しており、こうした神経系の変調が心身不調の深層のとなることを示しています。

アンバランスな噛み合わせとうつ

うつ病は、慢性痛、睡眠障害と強い関連があります。不安定な噛み合わせ は、顎関節、筋肉の慢性的な疼痛、心理的ストレスを増大させて、抑うつ症状を誘発する可能性があります。さらに、睡眠障害から、うつ病のリスクを押し上げることも指摘されています(Baglioni et al., 2011)。Manfrediniら(2010)の研究では、顎関節症患者は、不安や抑うつ症状が確認されており、不安定な噛み合わせと、精神疾患との間に関連性があることが示されています。

臨床的改善

臨床のイメージ

噛み合わせを正しく整える治療によって頭痛、不眠の改善、抑うつ症状の軽減がみられたという報告があります(Dao & Lavigne, 1998)。

つまり、不安定な噛み合わせ が症状の原因の一つであることを証明するものであり、歯科的アプローチが精神的な健康回復にも貢献する可能性を示しています。

包括的な解決策

噛み合わせ改善のために使用するマウスピース

ただ、現実では、矯正治療やマウスピースを使う、スプリント療法といった部分的な処置では、すべての問題を解決することは困難です。

不安定な噛み合わせ は歯並びだけでなく、顎の関節、咀嚼筋、姿勢、全身のバランスに影響し合う問題であり、部分的な一部の治療だけでは限界がかるといえます。

そのため、治療をする場合、歯並びを整える、という表層的なものではなくて、全身の健康や精神の安定までを視野に入れた包括的なアプローチが求められるのです。

トータルヘルスケアプログラム®という選択肢

トータルヘルスケアプログラム®のイメージ

こうした複雑な問題から、噛み合わせだけでなく、身体全身を包括的に評価して調整していく取り組みが重要になります。トータルヘルスケアプログラム® は、精密な咬合分析を行い、顎関節、筋肉、姿勢、自律神経の状態までを総合的に分析することで、見た目だけでなく本質的な総合的な安定した状態を目指すプログラムです。

実は、矯正治療の後に噛み合わせが不安定となり、数年を経て頭痛や抑うつ症状に悩まされるケースは珍しくありません。トータルヘルスケアプログラム®は、そのような長期的リスクを予防・改善に導く治療プログラムになります。

最後に

不安定な噛み合わせ は、歯科的問題だけでなく、頭痛、不眠、うつなどの精神症状にまで影響を及ぼす可能性があります。慢性痛や自律神経の乱れから心身のバランスを崩していき、次第に生活の質を大きく低下させます。

この問題を解決するためには、従来の治療を超えな、全身的な、長期的な視点から噛み合わせを改善していく包括的アプローチが不可欠になります。トータルヘルスケアプログラム® は、その実践的な解決策のひとつとして、心身の健康を取り戻すための新しい選択肢に十分なりえると信じております。

このコラムは、ウエスト歯科クリニック玉川中央歯科クリニックそれぞれに別の内容を掲載しています。

参考文献

  1. Okeson JP. (2019).Management of Temporomandibular Disorders and Occlusion.
    → 咬合不良と頭痛・自律神経症状の関連を解説。
  2. Glaros AG, et al. (2007). “Headache and temporomandibular disorders: evidence for diagnostic and behavioural overlap.” Cephalalgia.
    → 顎関節症患者に頭痛が高率に併発することを示した。
  3. Suvinen TI, Reade PC. (1995). “Temporomandibular disorders: a critical review.” Crit Rev Oral Biol Med.
    → 顎関節症患者における交感神経活動の亢進を報告。
  4. Baglioni C, et al. (2011). “Insomnia as a predictor of depression: a meta-analytic evaluation.” J Affect Disord.
    → 不眠がうつ病発症リスクを高めることを示したメタ解析。
  5. Manfredini D, et al. (2010). “Psychological profiles of different temporomandibular disorder patients.” Cranio.
    → 顎関節症患者に不安・抑うつ症状が多いことを確認。
  6. Dao TT, Lavigne GJ. (1998). “Orofacial pain and headache: an overview.” J Orofac Pain.
    → 咬合治療後に頭痛や抑うつの改善がみられることを報告。
医院名
医療法人社団聖和厚生会 ウエスト歯科クリニック
所在地
東京都目黒区鷹番3−7−6 2階
電話番号

03-5725-2251

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