顔のたるみ、なぜ「引き上げても戻る」のか
2026年10月26日

- フェイスラインがぼやけてきた
- ︎昔より顔が下に落ちた感じがする
- ︎マッサージしてもすぐ元に戻る
顔のたるみは、多くの方が年齢とともに感じる変化です。
一般的には、加齢、皮膚の弾力低下、コラーゲン減少と説明されます。
しかし現実には、同じ年齢でもたるみの差が大きいですし、ケアしても変わらない人がいるという事実があります。
ここに、見落とされている本質があります。
まず確認してください。

以下に当てはまるものはありませんか?
- フェイスラインが左右で違う
- 口元が片側だけ下がる
- 顔全体が前に落ちている感じがする
- 噛みやすい側が決まっている
- 首や肩が慢性的にこる
複数当てはまる場合、加齢だけではない可能性があります。
たるみは「支えられなくなった状態」

顔の構造を考えると、たるみは皮膚のたるみに対して、支えが弱くなった結果として現れます。
顔は、皮膚、脂肪、筋肉、骨格によって構成されているのですが、この中で、実際に“位置”を保っているのは、筋肉とその制御となります。
見た目は「引っ張る力」で決まる
顔の位置は、重力に対してどれだけ抵抗できるかで決まるのですが、つまり、引き上げる力が弱くなると、下に落ちるのです。
これが、たるみの本質です。
なぜ引き上げる力が弱くなるのか

ここで重要になるのが、神経の働きで、筋肉は、神経の指令によって動いています。
神経は、どの筋肉を使うか、どの程度働かせるかを常に調整しています。
この制御が適切であれば、筋肉は自然に働き、顔は保たれます。
しかし、神経の制御が弱くなると筋肉が働かなくなるのです。
それが進むと結果として、支えが失われ、皮膚がたるむという状態になります。
神経はどこから影響を受けるのか

ここで重要なのが、身体からの入力です。
神経は、身体の状態をもとに働きを調整しています。
この入力には、関節の位置、筋肉の張力、接触感覚などが含まれます。
「顎と咬合」

特に影響が大きいのが、顎の位置と噛み合わせです。
噛み合わせは、咀嚼筋、顎関節、顔面の深層構造と密接に関係しています。
ここにズレがあると、顔全体の筋肉の使い方が変わることになります。
たるみとの関係
噛み合わせの偏りがあると、片側ばかり筋肉を使うようになり、反対側は使われにくくなることから、筋肉の緊張と弛緩に差が出るのです。
この状態が続くと、支える力が弱い側から下がるという現象が起きます。
たるみが進行するプロセス

噛み合わせのズレ
- 神経入力のアンバランス
- 筋肉の活動低下
- 支持力の低下
- 重力に負ける
- 顔のたるみ
なぜトレーニングでも変わらないのか

顔の筋トレやマッサージを行っても変わらない理由は、使い方そのものが変わっていないためです。
神経の制御が変わらなければ、同じ使い方に戻るため、結果も変わりません。
本質は「機能の回復」
重要なのは、筋肉を鍛えることではなく正しく使える状態に戻すことです。
そのためには、神経の基準を整える必要があります。
トータルヘルスケアプログラム®の視点

トータルヘルスケアプログラム®では、顔のたるみを「美容」ではなく、機能の低下として捉えます。
噛み合わせ、顎関節の動き、頭部と頸部の関係、全身のバランスを多角的に評価して、神経に入る入力の質を整えることで、自然に支えられる状態にします。
たるみは「構造のメッセージ」
顔のたるみは、老化ではなく、機能がうまく働いていないというサインです。
最後に

もし顔のたるみが気になっているのであれば、皮膚を「引き上げる」ことだけに注目するのではなく、なぜ支えられなくなっているのかを考えることが重要です。
その原因にアプローチできたとき、見た目は無理なく変化していくでしょう。
コラムはウエスト歯科クリニックと玉川中央歯科クリニックで、それぞれ異なる内容を掲載しています。ぜひ、もう一方のコラムもあわせてご覧ください。
参考文献
- Moss ML(Columbia University)
Functional matrix theory - Lieber RL(University of California San Diego)
Muscle architecture and function - Enoka RM(University of Colorado)
Neuromuscular control - Lund JP(University of Montreal)
Mastication and motor control - Turker KS(University of Adelaide)
Trigeminal reflexes and muscle activity
この記事は
医療法人社団 聖和厚生会
ウエスト歯科クリニック/玉川中央歯科クリニック
統括院長
Dr. Ryo が執筆しました。
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