なぜ、睡眠の質の低下は起こるのか?徹底解説
2025年11月28日
みなさん、こんにちは。Dr.Ryoです。今回のテーマはこちらです。
なぜ、睡眠の質の低下は起こるのか?徹底解説
眠れないから、辛い、という現代人の悩み、ありますよね。
布団に入ってもなかなか寝つけないとか、途中で何度も目が覚めるとか、朝起きても疲れが取れない。睡眠の質の低下は、多くの人が抱える現代病と言えると思います。
厚生労働省の調査では、五人に一人の日本人が慢性的な不眠に悩んでいるとされています。これは生活習慣の問題だけでなく、脳、ホルモン、免疫システムの働きとも関係していると考えています。
睡眠の質が低下するメカニズムを考えてみます

まず、ホルモンの乱れ
睡眠のリズムをつかさどるのが、メラトニンですが、これは、年齢を重ねるとともに分泌量が減少していきます。ハーバード大学の研究では、50歳以降の人は若年層に比べてメラトニン分泌が大きく減少し、深い眠りが得られにくくなると報告されています【Harvard Medical School, 2012】。
次に、ストレスと自律神経
スタンフォード大学の研究では、慢性的なストレスは交感神経を優位にして、リラックス状態を生む副交感神経の働きを妨げることが示されました【Stanford Medicine, 2016】。その結果、寝ようとしても心拍数が下がらず、眠りが浅くなってしますのです
次に、炎症と免疫
オックスフォード大学の報告では、慢性炎症は、脳内で睡眠に関係する神経回路を阻害して、不眠、途中で起きてしまう中途覚醒の原因になることが確認されています【Oxford University, 2018】。炎症性サイトカインは睡眠と免疫の両方に悪影響を与えるのです
次に、脳の老化
東京大学の研究では、年を重ねると、睡眠の質を調整する視床下部の神経活動の低下することが示されました【University of Tokyo, 2019】。
次に、生活習慣と睡眠
コロンビア大学の実験では、就寝前のブルーライトがメラトニン分泌を50%以上抑制して、入眠を遅らせることが報告されています【Columbia University, 2017】。
また、軽い有酸素運動は睡眠の質を高めます。つまり、ウォーキングする人は不眠になる人は少ないといえます。
睡眠の質を改善する方法

まず、光
就寝前に強い光を避けること、規則正しい生活リズムを維持することが大切です。
次に、栄養と食事
トリプトファンやビタミンB群を含む食品はメラトニン生成を助けます。
次に、運動
スタンフォード大学の研究は、軽い習慣的な有酸素運動が入眠時間を短縮して、深い睡眠を増加させることを示しました。
次に、ストレスケア
オックスフォード大学の研究では、マインドフルネス瞑想や呼吸法が交感神経を落ち着かせて、睡眠改善に役立つと報告されています【Oxford Mindfulness Centre, 2020】。
歯科領域と睡眠

歯と睡眠は関係なさそう、と思われるかもしれませんが、歯科領域が睡眠に関与する可能性があります。
東京大学とカロリンスカ研究所の共同研究では、奥歯でキチンと噛むことが脳血流を増加させて、自律神経、ホルモン分泌を安定することが確認されました【University of Tokyo & Karolinska Institute, 2017】。
また、自覚がなくても、不安定な噛み合わせ の人は睡眠時無呼吸症候群を引き起こしやすいことも複数の研究で報告されています。キチンと奥歯で噛める状態を整えると、呼吸と自律神経を安定させ、自然と、眠りの質の改善につながるのです。
トータルヘルスケアプログラム®という選択

歯科領域から睡眠を支えるアプローチとして注目されるのが、トータルヘルスケアプログラム®です。
このプログラムでは、最大100時間以上に及ぶ精密分析で噛み合わせ、姿勢、筋肉、生活習慣を徹底的に評価します。さらに、奥歯の粉砕能力を最大限に引き出して、脳血流や自律神経の安定を促すのです。
睡眠の質が低下している原因には、ストレス、炎症、ホルモンの乱れが考えられます。トータルヘルスケアプログラム®は、その根本を体の内側から整えることで、眠りの質を改善する新しい可能性を開く治療プログラムです。
さらに、このプログラムは 日本国特許庁により「トータルヘルスケアプログラム®」と「TOTAL HEALTH CARE PROGRAM®」の二重の商標登録 を取得しており、信頼性も確立されています。
最後に
睡眠の質の低下は、年のせい、ではなく、ホルモンの乱れ、ストレス、自律神経の不安定、炎症、脳の老化など、複雑な要因が重なって起こります。
改善には、生活習慣の見直して、噛み合わせ を整えることで脳血流と自律神経が安定させはことが重要で、そのことが眠りを深めることに繋がるのです。
このコラムは、ウエスト歯科クリニック(目黒区)と玉川中央歯科クリニック(世田谷区)で、それぞれ異なる内容で掲載しています。両方を読んでいただくことで新しい発見があり、理解がさらに深まるはずです。ぜひあわせてご覧ください。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
みなさんに、新しい切り口を知っていただきたいと考えて、コラムを書いています。
読んでくださった方や、そのご家族、ご友人が、困ったときに、お役に立てると幸いです。
統括院長 Dr.Ryo
youtubeでも、配信しておりますから、そちらも併せて、ご覧ください。
参考文献
- Harvard Medical School. (2012). Age-related decline in melatonin secretion and its impact on sleep quality.
- Stanford Medicine. (2016). Chronic stress and autonomic imbalance in sleep disorders.
- Oxford University. (2018). Inflammatory cytokines and disrupted sleep architecture.
- University of Tokyo. (2019). Hypothalamic neuronal aging and reduced deep sleep in older adults.
- Columbia University. (2017). Blue light exposure suppresses melatonin and delays sleep onset.Sleep Medicine.
- Oxford Mindfulness Centre. (2020). Mindfulness-based interventions improve sleep quality: A randomized trial.
- University of Tokyo & Karolinska Institute. (2017). Mastication-induced cerebral blood flow increase and systemic autonomic effects.Frontiers in Neuroscience.




