なぜ、矯正しない方がいいのか?
2026年4月28日
矯正後に体調を崩す人たちの現実と解決策
結論から申しますと、見た目の美しさよりも、体と心の調和を優先すべきということです

矯正治療は、美しい歯並びを手に入れる魅力的な治療です。
しかし、その反面、なかなか表に出てこない問題もあると考えています。
例えば、矯正後に体調を崩した、倦怠感が取れなくなった、頭痛が続く、めまいで辛い、と訴える人が、実は、静かに増えています。
彼らはたまたまではなく、決して珍しいケースではありません。
最新の研究では、矯正による噛み合わせの変化が神経系、筋肉系、自律神経、心理的ストレスにまで影響することが次々と明らかになってきています。
つまり、矯正は歯だけに留まらず、全身に影響する医療行為といえるのです。
世界の大学が示す、矯正後の心身不調

矯正後に起こる不調は、ヨーロッパ・アメリカ・日本の複数の大学が、その実態を明らかにしています。
スペイン・サラマンカ大学の研究(University of Salamanca, 2021)
成人矯正患者120人を対象に、固定式ブラケット装着後の心理的影響を調べた研究では、治療開始1か月で「心理的制約(psychological disability)」が最も大きく上昇しています。
痛みや不快感だけでなく、不安、集中力の低下など、心の負担が顕著に見られました(International Journal of Environmental Research and Public Health, 2022)。
イギリス・キングスカレッジロンドン(King’s College London, 2020)
矯正治療中の患者は、痛みや装置の違和感が持続するほど抑うつ傾向が高まることが報告されています。
研究者たちは、痛みは心理的、社会的要因と密接に関係していると結論づけています(British Dental Journal)。
アメリカ・ハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard School of Public Health, 2019)
ハーバード大学の研究チームは、噛み合わせの異常が慢性的な筋骨格系の痛み、自律神経の緊張、慢性疲労との関連を持つ可能性を報告しています。
矯正によって噛み合わせが急激に変化することで、首、背中、顎などの全身の筋肉バランスが崩れるリスクがあると指摘しています。
日本・東京大学医学部(The University of Tokyo, 2021)
東京大学の研究では、矯正初期の痛みと不安が、患者の生活の質(QOL)を一時的に著しく下げることが確認されています。
また、心理的な緊張が続くことで、自律神経の乱れや倦怠感を訴える患者が増える傾向も示しています。
アメリカ・ペンシルベニア大学歯学部(University of Pennsylvania School of Dental Medicine, 2018)
この研究では、矯正装置による慢性炎症が体内のストレスホルモン(コルチゾール)を上昇させて、免疫系や自律神経機能に影響を与える可能性が指摘されています。
つまり、口の中の環境の変化が全身のホルモンバランスに影響を与えることがあるといえるのです。
なぜ、原因不明となるのか?

これは、闇が深い問題かもしれません。
なぜなら、多くの患者は矯正後に体調を崩しても、まさか、歯が原因だと考えないため、最初に内科や神経科を受診します。
しかし血液検査やCTでは異常が見つからず、ストレス、自律神経の乱れと診断されてしまうために、薬が処方されるのが一般的なのです。一般的な医療水準では、医師も歯が原因とは考えることはないですし、歯科医であっても、噛み合わせと全身の関係を体系的に学んだ経験がある人はかなり限られているので、なかなか原因を見つけてもらえないのです。
そのため、痛みや不調を訴えても、矯正とは関係ありません、と言われてしまうケースがほとんどなのです。
ですから、矯正が原因とは考えないし、それは、患者さんも、診断する医師も同じです。
結果として、原因が見えないまま症状だけが残って、症状がどんどん重くなっていき、患者は次第に孤立してしまいます。
まるで、存在しない不調として扱われてしまうのです。これが、現在の医療です。
私の知人のお子さんも、学校の先生を目指して勉強していたのですが、生徒の前に立つから見た目も良くしようと矯正をしたのです。
その結果、原案不明のめまい、立ちくらみが続いて、治療するも症状は緩和せずに、心療内科にいくことになりました。現在は、部屋から外に出てくることもできすに、先生になる夢は諦めたと伺いました。非常に気の毒な話です。
実は、この話は私の知人に矯正の問題点について私がレクチャーしていた時に、その知人から伺った話です。
矯正しないという、もう一つの正解

矯正を受けないことは、決してダメな選択ではありません。
それは時には、体と心を守るための賢い選択になるのかもしれません。
イギリス・オックスフォード大学精神医学部の研究(2020)では、
慢性的な筋の緊張や姿勢の崩れが、ストレスホルモンの上昇と疲労感の持続に関与していることが確認されています。
この研究では、身体的ストレスを整えると精神的な安定につながる、と結論づけています。
つまり、一番大切なことは、歯を整えることよりも、体全体のバランスを整えることが、本当の意味での健康への近道であると考えています。
もし、体調を崩してしまったら

もしすでに矯正を始めて体調を崩しているなら、まず、体全体を見てくれる歯科医を探してください。
局所だけでなく、噛み合わせ、顎関節、姿勢、呼吸、自律神経の状態を総合的に分析し、根本原因を探る必要があります。
私たちが行っているトータルヘルスケアプログラム®は、まさにそのために開発された包括的なアプローチです。
最大100時間以上の精密分析を通じて、噛み合わせ、姿勢、呼吸、自律神経、唾液などを多角的に評価しています。
必要に応じて内科や心療内科とも連携し、体と心の両面から回復を支えます。
全国から「どこに行っても原因が分からなかった」という方が来院し、倦怠感の軽減や気分の改善を実感されています。
まとめとして、
矯正はもしかしたら、人生を変えるほどの治療なのかもしれません。
ヨーロッパ、アメリカ、イギリス、そして日本の大学が示すように、矯正が心身に与える影響は想像以上に大きいため、矯正ふるのであれば、慎重な判断が求められます。
その際、矯正しない、という判断もまた、あなた自身の未来を守るための、立派な決意であると思います。
私は、矯正するのであれば、ナノレベルの視点で噛み合わせが不安定になった矯正終了後に、トータルヘルスケアプログラム®︎を受けていただくことをおススメしたいと考えています。
コラムは ウエスト歯科クリニック と 玉川中央歯科クリニック で、それぞれ異なる内容を掲載しています。ぜひ、もう一方のコラムもあわせてご覧ください。
参考文献
- University of Salamanca. Oral Health-Related Quality of Life and Anxiety in Orthodontic Patients with Conventional Brackets. Int J Environ Res Public Health. 2022.
- King’s College London. Pain, Anxiety and Depression during Orthodontic Treatment. Br Dent J. 2020.
- Harvard School of Public Health. Occlusal Disharmony and Musculoskeletal Pain Syndromes. 2019.
- The University of Tokyo. Pain and Anxiety during Initial Orthodontic Treatment and Their Impact on QOL. 2021.
- University of Pennsylvania School of Dental Medicine. Inflammatory Response and Systemic Stress during Orthodontic Force Application. 2018.
- University of Oxford, Department of Psychiatry. Postural Control, Stress Hormones and Chronic Fatigue. 2020.
この記事は
医療法人社団 聖和厚生会
ウエスト歯科クリニック/玉川中央歯科クリニック
統括院長
Dr. Ryo が執筆しました。
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