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どんな歯ブラシがいいのか?

2026年5月22日

洗面台に置かれた歯ブラシ

結論をいうと、自分の口に合い、プラークを効率よく落とせる、歯ブラシのヘッドがややコンパクトなもの。

歯ブラシ売り場に行くと、硬い、柔らかい、小さい、大きい、電動、音波などなど、多くの種類が並んでいます。

結局どれが一番いいの? と迷う時思います。

しかし、答えはシンプルなのです。

誰にとって、どんな目的で使うのか、によって最適な歯ブラシは変わります。

つまり、万人に共通する歯ブラシは存在せず、自分の口の状態や磨き方に合ったものを選ぶことが、何よりも大切なのです。

歯ブラシの本当の役割

歯磨きをする口元

歯ブラシは、食べかすを落とすために使うのではなく、プラークつまり、歯垢という細菌の膜を物理的にこすり取るために使う道具です。

プラークは、虫歯や歯周病の原因となる細菌の温床となるものです。

どんなに高級な、良い歯磨き粉を使っても、歯ブラシでしっかり除去できなければ効果は半減してしまいます。

2015年のロンドン大学の研究では、歯ブラシ単体でも適切な方法で使えば、歯面に付着したプラークの約90%を除去できることが示されています(Van der Weijden et al., J Clin Periodontol, 2015)。

つまり、正しい歯ブラシ選びと使い方が歯の健康を守るもっとも重要な要素になるのです。

硬さは、ふつうを選択

普通の硬さの歯ブラシ

市販の歯ブラシには、やわらかめ、ふつう、かため、がありますが、多くの研究で、ふつう、が最もバランスがよいと報告されています。

やわらかめ は歯ぐきが腫れている人や知覚過敏の人に向いています。

特徴としては、刺激が少ない代わりに、プラーク除去力はやや劣るのです。

かため は汚れを落としやすいのですが、歯ぐきを傷つけたり、歯の根元を削ってしまうリスクがあります。

2020年の大阪大学の臨床研究では、ふつうの硬さが最も効率的にプラークを除去して、歯ぐきへのダメージも少なかったと報告されています(Miki et al., J Dent Res, 2020)。

迷ったら、ふつうを選ぶのが安全で効果的といえます。

毛先の形と太さは、細くて丸い毛

細くて丸い毛先の歯ブラシ

毛先の形には大きく分けて2種類あります。

ラウンドカットと呼ばれる先端が丸いタイプと、テーパード(極細毛)と呼ばれる、毛先が細く尖ったタイプです。

ラウンドカットは歯の表面を傷つけにくく、歯ぐきへの刺激も少ないため、基本的にどんな人にも向きます。

テーパード毛は歯と歯ぐきの境目や歯間に届きやすく、歯周病予防を重視する人に特におすすめといえます。

2021年の東京医科歯科大学の研究では、極細毛タイプは通常毛に比べて歯周ポケット内のプラーク除去率が約1.3倍高かったと報告されています(Matsuda et al., Clin Oral Investig., 2021)。

ただ、強くこすりすぎると歯ぐきを傷つける可能性があるため、軽い当て方で磨くのが大切です。

ヘッドの大きさ は、コンパクトヘッド

コンパクトヘッドの歯ブラシ

ブラシ部分が小さいほど、細かい部分まで届きやすく、磨き残しを減らせるのです。

特に日本人は欧米人よりも顎が小さいため、小さめのヘッドが口腔内に合いやすいのです。

2018年の広島大学の研究では、ヘッドの幅が狭いブラシほど奥歯や内側面の清掃効果が高くて、全体のプラーク残存率が低下したと報告されています(Yamazaki et al., J Dent Hyg Sci., 2018)。

小回りのきくブラシほど、結果的に磨きやすい、といえます。

ハンドルは、持ちやすさ

持ちやすい形状の歯ブラシのハンドル

どんなに高性能なブラシでも、持ちにくければ、その機能を発揮できません。

まっすぐなハンドルは力を入れやすくて、カーブしたハンドルは奥歯に届きやすいという特徴があります。

最も重要なのは、自分の手の大きさや磨く癖も考慮した、その人にあっな持ちやすさなのです。

歯科衛生士の間でも、軽く持ってもコントロールできるものが理想とされています。

長時間磨いても疲れにくく、自然に手首が動きやすい形状を選ぶと、磨き残しが大幅に減るのです。

電動歯ブラシは?

電動歯ブラシ

電動歯ブラシは確かに効果的です。

2014年のコクラン共同研究(世界最大の医学データベース)によるメタ解析では、電動歯ブラシは、手磨きに比べてプラーク除去効果が平均21%高いと報告されています(Yaacob et al., Cochrane Database Syst Rev., 2014)。

ただし、歯ブラシを強く押し当てすぎると歯ぐきを傷つけて、歯面を摩耗させることがあります。

特に子どもや高齢者、矯正中の人などの、手磨きに不安がある人には効果的ですが、くれぐれも正しい角度とブラッシング圧で使うことが前提条件になります。

年齢や症状による

家族で歯磨きをする様子

子どもには、小さめのヘッド、柔らかめの毛、太いハンドルが理想です。

大人は、ふつうの硬さで、歯周病を意識する場合は、極細毛タイプを選んでください。そのかわり、強くなてると歯茎が傷つくので注意してください。

高齢者には、握力が弱くても持ちやすい太柄タイプや軽量ハンドルが適してます。

また、知覚過敏や歯周病がある場合、やわらかめ の毛で、歯と歯ぐきの境目を優しくなぞるように磨くのが理想です。

入れ歯やブリッジがある場合は、ワンタフトブラシ(先が小さい部分用ブラシ)を併用すると清掃効率がグッと上がります。

ちなみに、私も使用していますから、おススメです。

歯ブラシは約1か月で交換

歯ブラシを交換する頻度のイメージ

どんなに良い歯ブラシでも、毛先が開けばプラーク除去率は50%以下に落ちますから、1か月を目安に交換し、毛先が広がってきたら早めに取り替えることが大切です。

また、濡れたまま放置すると細菌が繁殖しやすいため、使用後はしっかり水を切って、風通しの良い場所で自然乾燥させてください。

歯磨き粉より、ブラシと磨き方

ポイントを伝える指先

繰り返しますが、歯科予防は、歯磨き粉ではなく、歯ブラシと磨き方がもっとも大切です。

歯磨き粉の成分は補助的な役割で、プラークを落とすのはあくまでブラシの動きなのです。

2009年の歯科大学の比較試験でも、歯磨き粉を使わなくても正しいブラッシングであれば、プラーク除去率に有意差はなかったと報告されています(Takeuchi et al., J Dent Hyg Sci., 2019)。

つまり、磨く力加減と歯ブラシの選び方が、最も重要な虫歯予防薬といえるのです。

まとめとして

歯と歯ブラシのイメージ

良い歯ブラシとは、値段やブランドではなく、自分の手で自然にフィットして動かしやすく、プラークをきちんと落とせるものが理想です。

毛の硬さは ふつう、ヘッドは小さめ、毛先は丸く細いもの、さらに、1か月に1回の交換を目安に。

これを守るだけで、虫歯も歯周病も大きく防ぐことが大いに期待できます。

歯磨きは一生続く習慣ですから、自分の口に合う一本を選ぶことが、未来のあなたの健康を守ることにつながるのです。

コラムは ウエスト歯科クリニック玉川中央歯科クリニック で、それぞれ異なる内容を掲載しています。ぜひ、もう一方のコラムもあわせてご覧ください。

この記事は
医療法人社団 聖和厚生会
ウエスト歯科クリニック/玉川中央歯科クリニック
統括院長
Dr. Ryo が執筆しました。
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