男性と女性、どちらが口臭が強い?
2026年7月10日
結論 をいいます
男性のほうが口臭が強いです
多くの国際研究が示す結論でも、平均すると、男性のほうが女性よりも口臭が強いことがわかっています。
この差は単に体質の違いだけではなく、唾液の量、歯周病の有病率、喫煙や生活習慣、自己管理意識といった複数の要因が重なって生じています。
女性にもホルモン変動など一時的に口臭が強まる時期がありますが、長期的・慢性的にみると、男性のほうが強い傾向があります。
口臭を決める生理的な違い

唾液の量と性質
口臭を抑える最大の自然防御が唾液になります。実は、唾液には自浄作用があり、細菌の増殖や臭気成分の発生を防ぎ効果をもっています。
イスラエルの研究(Nagler, 2005)によると、女性のほうが安静時の唾液分泌量が多く、抗菌作用も高いことが示されています。
そのため、女性は口の中の環境を清潔に保ちやすく、細菌が繁殖しにくいのです。
ホルモンの影響
ただし、女性は月経や妊娠、更年期などでホルモンが変動します。これにより一時的に歯ぐきが炎症を起こして、口臭が強まることがあります(Kornman, 1997)。
しかし、これは一過性の現象で、通常は数日で落ち着きついてきます。一方、男性はホルモン変動が少ない代わりに、慢性的な炎症や歯周病が進行しやすい傾向があります。結果的に、男性のほうが長期的な口臭リスクが高いのです。
行動習慣が生む差

口腔ケアの頻度
世界的な調査(Petersen, 2008)では、女性のほうが歯磨きやフロス、マウスウォッシュなどのケアを習慣化していると示されています。
男性は、寝る前に一度磨くだけ、歯医者は痛くなったら行く、といった人が多く、結果としてプラークや舌の表面の舌苔がたまりやすいのです。これが口臭を強くする大きな原因になります。
喫煙
喫煙は歯周病を悪化させ、唾液の分泌を減らす要因となります。ニコチンとタールが口の中に残り、独特の臭気を放つのです。
世界的に見ても男性の喫煙率は女性より高く(Warnakulasuriya, 2009)、この習慣のある男性は、口臭を強くする最大のリスクを持っているといえます。
歯周病
歯周病は口臭の最大の原因となります。歯ぐきの奥にたまった酸素を嫌う嫌気性菌がタンパク質を分解し、強い臭気ガスである揮発性硫黄化合物を発生させるのです。
2014年の韓国で行われた調査(Lee,)では、男性の歯周病は女性よりも重症化しており、口臭測定値も有意に高かったと報告されています。この結果は、歯科受診率の低さや清掃不足が影響していると考えられます。
心理と社会の違い

美容意識と自己管理
女性は歯の色や口臭など、美容面にも関心が高く、口臭ケアを早い段階から意識する傾向があります。
男性は口臭ケアという意識が女性よりも低く、自己管理を後回しにしがちです。そのため、同じ症状でも男性はケアが遅れて、結果的に口臭が強くなるケースが多いのです。
自覚の差
驚くことに、男性は口臭が強くても、自分では気づかないことが多いのです。スイスの研究(Bornstein, 2009)では、女性のほうが軽度でも自覚が強く、早く対処する一方、男性はにおいが強くても放置する傾向があると発表されています。
加齢
年齢を重ねると、唾液腺の機能が低下して、さらに、体調不良により薬の副作用で口が乾くことも増えます。
口が渇くドライマウスは男女共通の問題ですが、長年の喫煙や歯周病の蓄積により、男性では臭いが慢性化しやすいのです(Scully, 2008)。
女性は加齢による唾液量の低下はありますが、ホルモン変化を通じた一時的であり、継続的な悪化は比較的少ないといわれています。
総合的見解

女性は唾液量が多く、口腔清掃への意識も高い。
それに対して、男性は歯周病や喫煙習慣が多く、ケアが遅れやすい。
結果として、男性のほうが平均的に口臭が強くなる傾向があるということです。
つまり、男女差は生まれつきではなく、生活習慣と自己管理の違いによって生まれるのです。
まとめ として
男性の口臭が強い傾向は、科学的にも統計的にも示されています。しかし、それは男性特有のものだから仕方ない、というものではなく、喫煙している人は喫煙をを控え、歯周病を予防して、毎日の清掃習慣を整えることで、十分に改善可能になります。
一方、女性もホルモン変動期には一時的に口臭が強まることがありますが、その時期に丁寧なケアと定期的な歯科チェックが効果があります。
性別による特徴や違いを知って、それぞれに合ったケアを行うことが、口臭を抑制する第一歩になるのです。
コラムは ウエスト歯科クリニック と 玉川中央歯科クリニック で、それぞれ異なる内容を掲載しています。ぜひ、もう一方のコラムもあわせてご覧ください。
参考文献
- Nagler RM, Hershkovich O. Age-related changes in salivary profiles. Arch Oral Biol. 2005.
- Kornman KS, Loesche WJ. The subgingival microbial flora during pregnancy. Ann Periodontol. 1997.
- Petersen PE, Kwan S. Equity, social determinants and oral health. Community Dent Oral Epidemiol. 2008.
- Warnakulasuriya S. Global epidemiology of oral and oropharyngeal cancer. Oral Dis. 2009.
- Lee CH, et al. Relationship between halitosis and periodontal disease in Korean adults. J Periodontal Res. 2014.
- Bornstein MM, et al. Halitosis and self-perception: a study in a Swiss population. J Breath Res. 2009.
- Scully C, Greenman J. Halitosis (breath odor). BMJ. 2008.
この記事は
医療法人社団 聖和厚生会
ウエスト歯科クリニック/玉川中央歯科クリニック
統括院長
Dr. Ryo が執筆しました。
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