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膝の痛みの本当の原因 は?

2026年7月3日

結論をいいます

膝の痛みは、膝の問題ではなく、力のかかり方の問題

膝の痛みは、加齢や軟骨のすり減り、体重の増加などが原因だと思われていると思います。

しかし、最新の研究によれば、痛みの本質は膝にどのように力がかかっているかという“荷重バランス”の乱れにあると考えが出てきています。

つまり、膝の中で何が起きているかよりも、全身の動きや姿勢の歪みがどのように膝へ力を集中させているかが、痛みの根本的な要因といえるのです。

膝にかかる力の流れが痛みをつくる

膝を痛がる高齢女性

歩く、立ち上がる、階段を上るなど、日常の動作ひとつひとつで膝には、体重の数倍の力がかかります。

正常な姿勢であればこの力は関節全体に分散されて、膝は問題なく機能するのですが、姿勢の崩れや関節のわずかなズレがあると、その力が膝の内側や外側など特定の部分に一気に集中してしまうのです。

東京大学の研究では、膝の内側に強く力がかかる膝内反モーメント(KAM)という指標が高い人ほど、関節の変形が早く進行することが示されています。

つまり、膝の寿命を決めるのは年齢ではなく、日常生活でどのように力が流れているかというバランスが問題なのです。

骨格の歪みがもたらす負担

骨格の比較

O脚やX脚など、脚全体の骨格の配列(アライメント)の歪みは、多くの人に見られる特徴です。

ノースウェスタン大学の研究によると、こうした骨格のズレが、膝の特定の部位に持続的な負担を与えて変形性膝関節症の進行を加速させる、ことが明らかにされています。

つまり、膝の痛みは膝そのものだけでなく、股関節や骨盤、足首を含めた下肢全体のバランスの崩れから生じるものです。

局所的な治療では限界があり、体全体のバランスを整えなければ根本的な改善は望めないのです。

体重は膝にとって最大の外的負担

体重増加のイメージ

体重のわずかな変化も膝への負担を大きく左右します。

ウェイクフォレスト大学の研究では、体重が1kg減ると、歩くたびに膝にかかる力が約4kg分軽くなると報告されています。

つまり、5kgの減量でおよそ20kg分の膝の負担を減らせる計算になるのです。

さらに10%以上の減量を達成した人では、痛みの軽減だけでなく、炎症マーカーや関節機能も改善することが確認されています。

体重はまさに、膝に加わる「外からの圧力」を決定づける大きな要素なのです。

筋肉は、内側から膝を守る

膝は軟骨や靭帯だけでなく、周囲の筋肉によっても支えられています。

特に股関節の外側にある中殿筋などの外転筋群は、歩行時に骨盤を安定させて、膝に余分なねじれや横方向のストレスがかからないよう調整しているのです。

メルボルン大学の研究では、股関節まわりの筋肉を鍛えることで膝痛が改善したと報告されています。

ただし、筋肉を鍛えるだけでは十分ではなく、姿勢や歩き方のクセを同時に整えることで、初めて筋力が正しく働いて、膝への負担を軽減できると考えられています。

日常動作の生活習慣が痛みを悪化させる

狭い歩幅で歩く足元

私たちは無意識のうちに、膝に負担をかける動作を繰り返しています。

たとえば、つま先が外を向いている、歩幅が狭い、といった小さな日常の癖が、膝の内側や外側に力を集中させるのです。

日本の研究では、歩行の仕方を修正するゲイトトレーニングによって、膝の内側への負担を減らせることが示されました。

つまり、痛みの改善には筋肉の強化だけでなく、動作そのものを見直すことが不可欠なのです。

足元の歪みも見逃せない

膝の痛みは、実は足の形や靴の選び方から始まることもあります。

偏平足やアーチの崩れは、地面からの衝撃をうまく吸収できずに、その負担が膝に伝わるのです。

靴やインソールを調整することで、膝の内側にかかる力を軽減できることが多くの研究で確認されています。

ただし、足の形状や歩き方は人によって異なるため、インソールの効果を最大化するには個別の調整が必要となります。

炎症は原因ではなく結果なのです

膝の炎症のイメージ

膝が腫れる、熱を持つといった炎症症状は、痛みの原因ではなく、結果であることも忘れてはいけません。

長期間にわたって偏った力がかかり続けると、関節や周囲の組織に炎症が起こってしまいます。

薬や注射による治療で炎症を抑えることは、一時的な緩和には有効ですが、力の偏りを改善しなければ再発を繰り返してしまいます。

本当の治療とは、膝への力の流れそのものを整えることにあるのです。

荷重を整えるためのアプローチ

膝を守るためには、まず自分の体がどのように荷重をかけているのかを知ることが大切になります。

姿勢、体重、筋力、歩行パターンなどを総合的に評価し、どこに力が集中しているかを可視化することで、的確な対策が取れるようになるのです。

そのうえで、体重を適正に保ち、靴やインソールで力の通り道を調整して、股関節や体幹の筋力を高め、歩き方や立ち方の習慣を整えることが、膝の痛みを根本的に軽減する最善の方法となります。

トータルヘルスケアプログラム®という選択肢

歯医者のイメージ

トータルヘルスケアプログラム®は、医療法人社団 聖和厚生会が提供する、全身のバランスを整えるための包括的なプログラムです。

最大100時間を超える精密分析を通じて、姿勢、歩行、噛み合わせなどを徹底的に評価し、膝に集中するストレスを根本から再設計します。

これは単なるリハビリでも、痛みを和らげるだけの治療でもありません。

なぜ痛みが起きたのか、を全身の視点から解き明かし、再発を防ぐ体づくりを目指すプログラムです。

膝だけを治すのではなく、体全体を整えることで、自然と痛みのない動きが戻っていくのです。

コラムは ウエスト歯科クリニック と 玉川中央歯科クリニック で、それぞれ異なる内容を掲載しています。ぜひ、もう一方のコラムもあわせてご覧ください。

参考文献

  1. Miyazaki T, et al. Ann Rheum Dis.
  2. Sharma L, et al. Arthritis Rheum.
  3. Messier SP, et al. Arthritis Rheum.
  4. Hunter DJ, et al. N Engl J Med.
  5. Bennell KL, et al. Arthritis Care Res.
  6. Barrios JA, et al. Arthritis Rheum.
  7. Kakihana W, et al. Clin Biomech.

この記事は
医療法人社団 聖和厚生会
ウエスト歯科クリニック/玉川中央歯科クリニック
統括院長
Dr. Ryo が執筆しました。
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▶︎Dr. Ryoのプロフィール

医院名
医療法人社団聖和厚生会 ウエスト歯科クリニック
所在地
東京都目黒区鷹番3−7−6 2階
電話番号

03-5725-2251

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