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緑内障を改善する、噛み合わせの可能性

2026年6月2日

結論をいいます。

噛み合わせを整えることで、目の血流と神経の働きをサポートする可能性があります。

緑内障は、視神経が徐々にダメージを受けて、視野が狭くなっていく病気です。

緑内障の原因の一つとして、眼圧の上昇が知られていますが、日本人に多い正常眼圧緑内障では、眼圧が正常でも進行するケースが多く報告されています。

この事実は、緑内障がただの眼の病気だけではなく、全身の血流、自律神経、姿勢の影響を受ける全身性の疾患である可能性を示しています。

実は、噛み合わせの不調が自律神経や姿勢を介して 血流に影響して、結果的に目の循環にも関係している可能性が注目されてきています

つまり、口の中のバランスを整えることが、眼の健康にまで波及する、この可能性が新しい視点なのです

緑内障と血流・自律神経の関係

緑内障の男性

ハーバード大学医学部の研究では、緑内障の進行には眼圧だけでなく、視神経への血流量と自律神経のバランスが関わっていると報告されています。

とくに、眼に送られる血液量を示す指標が低い人は、緑内障のリスクが有意に高まることが国際的な解析で明らかになっています。

つまり、眼圧が正常でも、血流が滞って、自律神経の働きが乱れていると、視神経が酸素不足に陥りやすくなるということです。

これが、正常眼圧緑内障という、日本人に多いタイプの疾患の根底にある問題ではないかと考えられます。

噛み合わせが全身に与える影響

噛み合わせのイメージ

噛み合わせの不調で、噛み合わせがずれることで、顎の位置も変化して、首や肩の筋肉に偏った緊張が生じてきます。

頭の角度がほんの少し変わるだけで、首の血流、自律神経のバランス、脳への循環にも影響を与えることがわかっています。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究では、顎関節症など噛み合わせの不調を持つ人は、自律神経機能の乱れを示す心拍変動(HRV)が低下していることが確認されました。

自律神経は眼の血管収縮にも関与しており、そのバランスが崩れると視神経への血流も不安定になるのです。

つまり、噛み合わせのズレは、頭と首の筋の緊張を通して、眼の血流にも影響しているということなのです。

姿勢が変われば、目の循環も変わる

姿勢を改善する様子

一般的には、姿勢と視力は関係ない、と思いがちですが、オックスフォード大学の報告では、姿勢の乱れや頸部の過緊張がストレスホルモンを上昇させ、眼の微小循環を悪化させることが示されています。

明海大学の研究でも、噛み合わせの改善により頭の位置が安定して、体幹のバランス感覚が整うことが観察されています。

これらの研究は、顎を整えることが、理想的な姿勢に整えて、結果的に脳や眼への血流を改善させる可能性を示唆しているといえます。

噛み合わせのズレは、実は、姿勢を介した眼の負担にまでつながっているのです。

そのような話を聞くと、日常の姿勢や咬合バランスがいかに重要であるか、お分かりいただけたのではないでしょうか。

唾液と免疫、そして微細循環

食事をする高齢夫婦

咀嚼によって分泌される唾液は、消化を助け、免疫や血管機能にも関与します。

例えば、東京大学の研究では、しっかり噛むと唾液分泌が増えて、体内の抗酸化機能や免疫反応が活性化することが示されています。

さらにMIT(マサチューセッツ工科大学)の研究では、唾液中に含まれる抗菌ペプチドが全身の炎症や血管の健康に関わっていると示されています。

噛み合わせが整って自然に咀嚼が行われるようになると、唾液が増え、炎症のコントロールや血流の質が改善されます。

結果として、眼の毛細血管レベルの循環にもプラスの影響を与える可能性があるのです。

噛み合わせの改善で見られた変化

眼科での検査

噛み合わせを整えた後に視覚症状の改善を感じるケースがあります。

視野の欠けるスピードが緩やかになった、目のかすみが減った、点眼を続けても上がっていた眼圧が落ち着いた、といった報告もあります。

噛み合わせの調整だけで、緑内障を治すわけではありませんが、体全体の循環や神経バランスを整えることによって、視神経への負担を減らして、進行を穏やかにしてくれるサポートとなる可能性は十分にあると考えられます。

トータルヘルスケアプログラム®による新しいアプローチ

トータルヘルスケアプログラム®のイメージ

トータルヘルスケアプログラム®は、噛み合わせをベースとして、姿勢、自律神経、唾液分泌を総合的に評価することで、完全オーダーメイドでバランスを整えていきます。

これは、単に顎を調整するだけでなく、体の循環全体を整える、全く新しいアプローチです。

もちろん、眼科での標準的な治療(点眼・手術)は大切ですから、続けながら、このような全身的サポートを加えることで、緑内障への新しい対応の可能性が開けるのです。

まとめとして、

緑内障を目だけの病気と考えない

緑内障は、目の病気ですが、血流、自律神経、姿勢、噛み合わせ、全身の状態と密接に関係しているのです。

ハーバード大学、UCLA、オックスフォード大学、東京大学、MITなどの研究は、噛み合わせの改善が体全体の循環を整えて、眼の血流と神経保護に間接的な効果をもたらす可能性を示しています。

眼圧を下げる治療も非常に大切なのですが、体の歪みを整えることも、視神経を守る新しい鍵になると私は考えています。

緑内障で悩まれている人々にとって、噛み合わせを整えるという考えは、今までの治療にはない、全く新しい治療アプローチであるといえると思います。

コラムは ウエスト歯科クリニック玉川中央歯科クリニック で、それぞれ異なる内容を掲載しています。ぜひ、もう一方のコラムもあわせてご覧ください。

参考文献

  1. Harvard Medical School. Occlusal disharmony and musculoskeletal and circulatory disorders. Boston, USA. 2016.
  2. Kim KE, et al. Ocular Perfusion Pressure and the Risk of Open-Angle Glaucoma: A Systematic Review and Meta-analysis. Sci Rep. 2020.
  3. University of California, Los Angeles (UCLA). Temporomandibular disorders and autonomic nervous system imbalance. Los Angeles, USA. 2018.
  4. University of Oxford, Department of Psychiatry. Posture, stress hormones and visual function. Oxford, UK. 2020.
  5. The University of Tokyo, Faculty of Medicine. Mastication, salivary secretion and immune modulation. Tokyo, Japan. 2019.
  6. Wada K-I, et al. The Relationship between Occlusion and Posture. Meikai University, Japan. J Acad Clin Dent. 2003;23(2):158-164.
  7. Massachusetts Institute of Technology (MIT). Antimicrobial peptides insaliva and systemic immunity. Cambridge, USA. 2015.

この記事は
医療法人社団 聖和厚生会
ウエスト歯科クリニック/玉川中央歯科クリニック
統括院長
Dr. Ryo が執筆しました。
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